ETS手術とリバーサル手術

手掌多汗症のクライマーが、ETS手術をして、重度の後遺症に苦しみ、フィンランドでのリバーサル手術に成功。ゴミ収集員復帰を目指す物語

北欧フィンランドで交感神経再建術(リバーサル手術)を受けてきました②

10月3日リバーサル手術当日

ようやく手術当日になりました。この日の朝は一切の飲食禁止(うがいはOK)なので、
妻の朝食を恨めしそうに眺めつつ、無事に神経を繋げられる事を祈っていました。

体調はこれを書いてから、凄い調子が良くて、自律神経失調症の症状は大幅に改善されました。万全の体調で手術に臨める事と異国の地に足を踏み入れたからか、いつも以上に変なテンションだったと妻の後日談。

トラムでティルッカ病院へ
昨日の予習と、ゆーこさんのありがたいブログ↓おかげでティルッカ病院へは、トラムで迷わず行けました。
タクシーだとかなり高いみたいなので、トラムおすすめです。

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まるとんさんに教えて頂いたとおり、右側の入り口から、エレベーターで2階へ行き、
受付でパスポートを見せて「I'm Baki from Japan.  There is a promise of surgery by Dr Lanternen from 10:00.」※Bakiの所は本名で言いました。

4階へどうぞと言われるのでエレベーターで4階へ行きます。
扉にインターホンがついているので押すと、看護士さんが出迎えてくれます。

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こんな感じの更衣室で手術着に着替えます。ロッカーは鍵付なので、貴重品はロッカーへ、スマホと充電器とC型変換プラグは持っていたほうが良いと思います。

通訳をしてくれるロミさん

と合流したら、問診表に答えて行きます。ほっとする瞬間です。
この時にwifiのパスワードを貰うと良いと思います。ランタネン医師が来るまでは聞きたい質問を頭の中で整理しておくと良いです。

Drランタネンとの問診

とても力強い握手で挨拶を交わしたら、問診に入ります。

  • ETSした時期はいつか?      A 2019年4月
  • どの箇所の交感神経を遮断したのか?  A T3T4
  • 片側か両方か? A 両方
  • 遮断方法は? 
    ・クリップか?
    ・ハサミなどでチョキンと切除したのか?
    ・電気メスで焼灼しているのか?
    A おそらく電気メスで焼灼だと思う。

※神経の切られ方が手術の難易度や術後の回復に影響する。

神経の損傷具合が違う為。クリップ式はクリップを外して見て損傷具合をみて肋間神経を使わない場合もある。

ただカットされているか、電気メスで焼き切られているか。
焼き切られている場合の方が損傷が大きい。

神経節の損傷具合も関係してくる。

全ては手術をしてみれば明らかになる。との事でした。

後は幹細胞を取り出すお腹の確認をします。

幹細胞を使用する場合、脂肪は70ml必要。
通常お腹から取るが、痩せている人の場合は、お尻や太ももからもとるかも知れない、

次回のリバーサル希望者からは手術当日までに炭水化物を取って太ってくるように指示を出すとの事でした。

 最後に質問で、僕のした質問は。

  1. 幹細胞を使用すると、従来よりどのような効果が期待できるのか?
  2. 左手は日に日に手汗を強く感じる様になっているが、これは神経遮断が不十分なのか?
  3. 繋げた神経の写真を下さい。

の3点をしました。Drランタネンの回答は

  1. 神経に刺激を与えて回復促進を促す意図。2019年5月から幹細胞を使った術式で行っていて、これまでに4名の患者がこの術式で受けている。まだ日が浅く効果は上がってきていないが、私はこの術式に希望を持っている。
  2. 一概にはそうと言い切れない。見てみれば答えが出る。
  3. OK!通訳のロミさん経由で写真をメールで送る

とのことでした。ガッツリと再度握手をして一旦お別れ。

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ベッドルームで待機をしてると。手術の麻酔担当医が説明に来てくれます。

質問はありますか?との事で僕は
尿道カテーテル(チ◯管)は入れるのか?と質問しました。
手術の時間は幹細胞を取り出すのに時間がかかるから、6〜7時間の予定。
僕は3年前に左の耳下腺腫瘍を摘出した時に、約4時間の手術で尿道カテーテルを入れましたが、全身麻酔切れて外す時に、あまりの痛さに絶叫してしまったほど痛かったんです。
その時は若い看護士さんが外してくれました。
恥ずかしいとかの感情は一切なく、ただ猛烈の痛みを味わったことがあるので、長時間と聞いて確認しておきたかったんですが、
尿道カテーテルは入れないとの事です。
これで不安はもう無し。

時間になり妻と通訳のロミさんに見送られ、手術台へ、海外の全身麻酔は容赦なかった。5秒数えるまもなく、即ラリホーマでノックアウトだぜ。

麻酔から目覚めると

妻とロミさんの嬉しそうな顔を僕はまだ、うつろな状態でしたが確認出来ました。

妻の「成功したよ」の一言。

それを聞いてホッとした事と、何より頭部のスッキリ感と涼しさと瞳孔が見開いて視界がとてもクリアになった事に安堵していました。

手術の所見内容は

  • 左右T3T4が電気メスで焼灼処置されていた。
  • T4は神経節が残っていて生きていたのでT3の肋間神経を使用し、T2とT4をロボット縫合してから、医療用接着剤で接着をし、両端に幹細胞を処置をした。
  • 幹細胞を得るのに時間がかかったが、手術自体は好感触を持っている、改善することを願う。

T4の神経節が残っていたのが非常にラッキーでした。

後はどこまで回復できるかだけど、自分を信じられるか、信じられないかそれだけだと思います。

喜びと術後のメチャクチャな痛さで何とも言えない状態でした。